法人化するうえで不可避かつ不可欠なのが、会社の憲法である「定款」をつくること。
法人化の段取りとしては、
定款をつくる→公証役場で認証を受ける→法務局で登記申請を行う
という順序になります。
ちなみに会社って、今や割と簡単に作れるようになったんですね。
まず、最低資本金制度がなくなった。
20年前は株式会社を作るのには最低1000万の資本金が必要でしたが、今はそれが撤廃されています。
さらに、マイナンバーカードをフル活用して、デジタルでの登録ができるようになったので、手続きも簡便化されてるし、電子署名を使えば費用も抑えられます。
※マイナンバーカードは批判の声も大きいですが、事業をしているとホントに便利なことも多いです。
税金とか労働保険の関係は、以前はハロワとか税務署にいちいち行ってましたからね…
定款も、以前は司法書士さんに頼むのが当たり前でしたが、今はfreeeにも無料作成コンテンツがありますし、AIにも相談できるので、かなりハードルが下がっていると思います。
私も、「定款ってなんて読むの?」というところからスタートして、折角なので自分で定款を作ってみよう、ということになりました。
※ただし私は、最終は司法書士さんにお願いする予定です。一般的な定款ではなく、承継についての複雑な事情が絡むので。
定款に記載する事項(絶対的記載事項)
必ず書かないといけないのは、以下の通り。
①商号 会社の名前を何にするかってこと。
店の名前も会社の名前も同じだけど、ある程度検索して、できればあまり被らず、かつ一般名詞を避けた方が無難だと思います。
大きな理由として、店名も会社名も、今はすごく検索されるから。
うちのお店は「シフル」といいますが、某カードゲームとかぶったため、検索してもほとんどがそっちにいっちゃう、という笑えない事態になりました。
もっと笑えない事態として、たとえば同じ地域に同名の反社事務所があるとか、18禁コンテンツがあるとかもありえます。
「この名前は絶対ないだろう」と思っても、一応検索してみるの必須です。
②目的 何をする会社かってこと。
これは、今はしていないとしても、将来する可能性のあることは結構幅広く書いておく方がいい。事業内容にないことをするには定款の修正が必要だから。
たとえばシーシャカフェだけど、お店でオリジナルグッズを出すところも多いですよね。そしたら、「雑貨の企画・開発・輸入・販売」も入れておく、とか。
ただし、お酒の販売(提供じゃなく)を入れるとそれに関連する許可がいるとか、いろいろな制約も出てくるので、いろいろ確認が必要です。
あと、最後に「前各号に附帯又は関連する一切の事業」を入れておくと、関連事業もある程度カバーできる余地ができます。
③本店所在地 本社はどこに置くかってこと。
自宅にしてもよかったんだけど、承継のことも考えて3号店にしました。
1号店は物件自体が古いので、万一不可抗力の取り壊しとかがあるかも知れない、と考えました。あと、「日本橋」より「北浜」の方が聞こえがいい…笑
とか悩んでたんだけど、結局「大阪市」まででいいそうです。
なので、おそらく大きく悩むことはないと思います。
④設立に際して出資される財産の価額または最低額 いくらで会社を始めるかってこと。
いわば、「会社をはじめます」といって、会社の通帳に最初に入れるスタートの額ですね。
最初に述べたように1000万の制限がなくなって、極端なことをいえば1円でも理論上は会社設立上は可能ですが、まあさすがに現実的ではないと思います。
うちの場合はすでに店もあるし人もいるし、なので、資本金の額はあまり増やしませんでした。もし足りなくなったら「株主貸付金」の形で、貸して、返してもらう予定。
⑤発起人の氏名と住所 会社設立の手続きをする人の氏名と住所。実印が必要。
資本金を出して株を持つ人。うちの場合は私です。
複数人で会社をスタートする場合は、複数人になります。
あっ、ここについては税理士さんに確認してもらったときにダメ出しが入って、「1-2-3」みたいな住所表記ではなく、「1丁目2番3号」みたいにしなさい、とのことでした。
定款に記載する事項(相対的記載事項)
書かなくても無効にはならないけど、書いておかなければ法律上効力が生じない項目は、以下の通り。
①公告方法
会社が法律で公に知らせる必要のある事項を、どうやって知らせるかってこと。
大きな会社なら新聞にどーんと載せることもあるし、電子公告を出すこともあります。
うちみたいな小規模な会社は、官報(国が発行するお知らせ媒体、インターネットでも閲覧できる)を利用することが多いです。
②設立時発行株式数/発行可能株式総数 最初に発行する株と、発行できる株の総数。
設立時発行株式数は、うちはわかりやすく100にしました。
ただし、「将来この株が最大何株まで発行できるか」という数字なので、もし新株を発行する予定があるならここは慎重に。
③株式の譲渡制限 株主が株を売ったり譲ったりすることについてのルール。
上場している会社なら株は公に売買されるわけですが、非公開株では承認なしに勝手に売り買いできないことにしておくのが一般的。でないと、把握していないところで株を買い占められて会社を乗っ取られる、なんてことが起こるから。
④株主総会 会社の方針を決める会議をどのように行うかってこと。
取締役が100%の株を持ってる会社なら会社をどうしていくかは株主である取締役が決めていきますが、他の株主がいる場合は、持株割合に応じて、彼らにも議決権があります。
その意思決定の場についての取り決め。
定款に記載する事項(任意的記載事項)
社内のルールとして書いておくといいな、という事項。
①取締役 会社のトップをどのように置くかってこと。
代表取締役が何人で、他に取締役はいるか、任期は何年にするかなど。
あと、株主総会の議長はどうするかとか会計監査をどうするか、とかも定款で定めておけます。
②事業年度 会社の決算期をいつにするかってこと。
12月末締めとか3月末締めが多いんだけど、うちは税理士さんのスケジュールの余裕に合わせて9月末締めです。
このへんがきちんと書けていれば、定款としての体裁は整っていると言えます。
うちの場合はプラスして、承継についてのあれこれが入ります。
書式
基本的には明朝で、シンプルに打ちこんだらOK。
ただし、読みやすいように適宜フォントの大きさを変えるとか、見出しは太字に変えるとか、同じ項目が2ページに渡らないとかした方がきれいですね。
見てもらったら分かるのですが、それほど特殊なこととか調べないとわからないことはなく、自分でも書ける範囲だと思うので、最終的に司法書士さんを通すにしても、たたき台は自分で作ってみるのをおすすめします。
あと、就業規則とか具体的な株式譲渡の覚え書きの方がややこしい…
このあたりについては改めて。

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